花火撮影のレンズ選び

最終更新: 2026年3月12日

作成: HANABI LENS 編集部

検証方法: 花火サイズ基準、センサーサイズ別画角、ツールの推奨値テーブルを相互確認

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花火撮影で「どのレンズを持っていくか」は、写真の仕上がりを大きく左右します。このガイドでは、焦点距離の基礎知識から、花火の号数・撮影距離に応じた具体的なレンズ選びまで詳しく解説します。

目次

  1. 焦点距離の基礎知識
  2. 花火の号数とサイズの関係
  3. 距離別・号数別の推奨焦点距離
  4. センサーサイズによる違い
  5. ズームレンズ vs 単焦点レンズ
  6. 花火撮影に人気のレンズ

焦点距離の基礎知識

レンズの焦点距離(mm)は、画角の広さを決める数値です。数値が小さいほど広い範囲が写り(広角)、数値が大きいほど狭い範囲を拡大して写します(望遠)。花火撮影では、花火全体がフレーム内に収まり、かつ十分な大きさで写る焦点距離を選ぶことが重要です。

焦点距離が短すぎると花火が小さく写り、迫力に欠ける写真になります。逆に長すぎると花火がフレームに入りきらず、構図が破綻します。理想的な焦点距離は、花火が画面の60〜80%程度を占める値です。

フルサイズカメラにおける焦点距離ごとの画角(対角線)は以下のとおりです。

焦点距離 画角(対角線) 分類 花火撮影での用途
14mm114°超広角至近距離での全景、星空との合成
24mm84°広角近距離での全景、前景を大きく入れる
35mm63°広角中距離での全体撮影
50mm47°標準中距離でのバランスの良い構図
70mm34°中望遠やや遠い距離からの撮影
100mm24°望遠遠距離からの花火アップ
200mm12°望遠遠距離から花火を大きく切り取る

花火の号数とサイズの関係

花火の大きさは「号数」で表され、号数が大きいほど高く上がり、大きく開きます。撮影時の焦点距離選びには、打ち上げ高さと開花直径の両方が重要です。以下は日本煙火協会の基準に基づくデータです。

号数 玉の直径 打ち上げ高さ 開花直径 花火上端 花火下端
2.5号約7.5cm80m50m105m55m
3号約9cm120m100m170m70m
4号約12cm150m120m210m90m
5号約15cm200m150m275m125m
6号約18cm220m180m310m130m
7号約21cm250m200m350m150m
8号約24cm280m250m405m155m
10号(尺玉)約30cm300m280m440m160m
15号(一尺五寸)約45cm350m350m525m175m
20号(二尺玉)約60cm450m450m675m225m
30号(三尺玉)約90cm600m600m900m300m

10号玉(尺玉)は多くの花火大会のメインを飾る花火です。打ち上げ高さ300m、開花直径280mと非常に大きく、500mの距離から見ると見上げ角度は約31度にもなります。

距離別・号数別の推奨焦点距離

以下の表は、フルサイズカメラ・横構図・地上割合30%での推奨焦点距離(mm)です。花火全体と一定の地上部分がフレームに収まるように計算しています。

主要な号数の推奨焦点距離(フルサイズ・横構図)

撮影距離 5号 (150m) 10号 (280m) 20号 (450m) 30号 (600m)
300m48mm24mm14mm11mm
500m76mm33mm21mm16mm
800m119mm52mm32mm24mm
1000m148mm63mm39mm29mm
1500m220mm93mm57mm42mm
2000m293mm122mm74mm55mm
3000m438mm182mm108mm80mm

読み方のポイント

例えば、1000m先の10号玉(尺玉)を撮影する場合、フルサイズで約63mmの焦点距離が推奨されます。24-70mmズームレンズがあればカバーできる範囲です。APS-Cの場合はクロップファクター分を考慮して、約42mm(63 ÷ 1.5)の実焦点距離で同等の画角が得られます。

センサーサイズによる違い

同じ焦点距離のレンズでも、カメラのセンサーサイズが異なると画角が変わります。センサーが小さいほど望遠効果が強くなるため、より短い焦点距離で同じ画角を実現できます。

同じ距離(1000m)・同じ花火(10号玉)での比較

センサーサイズ 推奨焦点距離 換算倍率 フルサイズ換算
フルサイズ (36x24mm)63mm1.0x63mm
APS-C (23.6x15.7mm)42mm1.5x63mm相当
マイクロフォーサーズ (17.3x13mm)34mm2.0x68mm相当

APS-Cやマイクロフォーサーズのカメラをお使いの場合、フルサイズ用の推奨値をそのまま適用すると花火が大きく写りすぎます。HANABI LENSではセンサーサイズを選択できるので、お手持ちのカメラに合った実焦点距離を正確に知ることができます。

ズームレンズ vs 単焦点レンズ

ズームレンズの利点

単焦点レンズの利点

おすすめ

初めての花火撮影にはズームレンズがおすすめです。現場で焦点距離を微調整できるため、計算値と実際の差を吸収できます。花火撮影に慣れてきたら、計算値にぴったりの単焦点レンズで挑戦すると、一段上の描写力を楽しめます。

花火撮影でよく使われるレンズの焦点距離帯をご紹介します。

広角ズーム(14-35mm / 16-35mm クラス)

打ち上げ場所から近い位置での撮影や、大玉花火の全景を前景と一緒に収めたい場合に活躍します。川沿いや海辺での風景花火に最適。ただし花火が小さくなりがちなので、500m以内の近距離向きです。

標準ズーム(24-70mm / 24-105mm クラス)

最も汎用性の高い焦点距離帯です。500m〜1500m程度の距離で10号玉を撮る場合、多くのシチュエーションをカバーできます。1本だけ持っていくなら、この焦点距離帯がベストです。

望遠ズーム(70-200mm / 100-400mm クラス)

1000m以上離れた場所からの撮影や、花火の一部を切り取るクローズアップ撮影に使います。花火の細部(光の粒、色のグラデーション)を捉える芸術的な作品づくりに向いています。5号以下の小玉を遠方から撮る場合にも必要です。

お手持ちのレンズが花火大会に対応できるか、事前にチェックしてみましょう。撮影距離と花火の号数を入力するだけで、最適な焦点距離が瞬時にわかります。

HANABI LENS で計算する

補足

説明に更新が必要な箇所を見つけた場合は、お問い合わせページ の案内をご確認ください。更新時は記事本文と計算結果の整合性を確認しています。